NEWS Release

川田工業、建設現場向けの資材搬送台車を開発
鋼床版大規模修繕現場(港大橋)において実運用、現場DXを推進
公開日:2025年9月26日

  川田グループの基幹事業会社である川田工業株式会社(以下、当社)は、建設現場の省人化・省力化を図るために、AGV(Automated Guided Vehicle 資材搬送台車)「EGmobile(仮称※)」の活用を開始しました。
 AGVは倉庫や工場などあらゆるシーンで活用が進んでいますが、阪神高速道路湾岸線港大橋における車道直上の検査路での実運用実現は、当社が長年培ってきた建設現場の機械化・ロボティクス技術導入の成果であり、建設業界の労働不足・担い手不足に貢献するものです。
※ 「EGmobile」は商標登録準備中のため、現時点では仮称としております。

検査路上を走るEGmobile
 
港大橋
検査路上を走るEGmobile
 
港大橋(中央径間510m、桁下空間51mトラス橋)

開発背景

 建設業界では、労働者の高齢化、担い手不足、労働時間の上限規制(2024年問題)、猛暑やゲリラ豪雨といった地球温暖化による屋外作業環境の悪化など、多数の課題を抱えています。特に現場においてはDXと人的作業を融合したハイブリッドなアプローチが急務となる中、かねてよりロボティクス技術の現場活用の研究・開発を続けてきた川田工業がその要素技術を融合させ、現場の作業環境に合わせた資材搬送台車の開発に至りました。
 現在、実稼働中の、鋼床版大規模修繕現場(港大橋)の現場の検査路は縦断勾配があり、2mごとに高さ1.4mの梁が設置されているため頭部をぶつけるリスクが高く、くぐる際に作業員の身体に与える負担が極めて大きくなるため、「EGmobile」の活用は大幅な作業負担軽減につながります。

検査路上を走るEGmobile
 
港大橋
検査路は車道直上に位置する
 
高さ1.4mの梁をくぐる

EGmobile 概要・特長

 建設現場での使用を前提とした以下の特長を有しています。

  • ●1台の牽引質量は100kg(手押し台車の場合50kg)で大量の補強部材を運搬
  • ●検査路の側面に貼付した走行テープと距離を保ちながら走行(レーザー誘導)
  • ●自律移動とラジコンによる手動操作が選択可能。リモート端末で状況確認
  • ●高さ、幅、重量などの物理制限を考慮した設計
  • ●防塵防滴機能装備
  • ●クローラ駆動で段差や床面が振動しても走行可能
  • ●グレーチング、チェッカープレート上を走行可能(手押し台車は、キャスターがグレーチングの隙間に干渉するリスクあり)
  • ●障害物センサーによる安全装置装備

期待される導入効果

 運用道路上も安全性が確保交通規制が低減されることにより、運搬作業の効率化や省人化だけでなく、交通渋滞によるCO2の発生抑制といった社会的効果が期待されます。
今後は、建設業界全体におけるDXの推進を使命ととらえ、社内での利用拡大を図るほか、外販も検討しています。

本件のプレスリリース

建設現場向けの資材搬送台車「EGmobile(仮称※)」のプレスリリース[PDF:933KB]


〔メディアからのお問い合わせ窓口〕

川田工業株式会社 広報担当
電話:03-3915-4609 e-mail:koho@kawada.co.jp
(川田テクノロジーズ株式会社 広報室)