NEWS Release

高周波誘導加熱装置を用いたリベット打設の新工法『KMリベット工法』を開発
公開日:2023年5月18日

川田工業株式会社MKエンジニアリング株式会社 は、歴史的鋼橋に多く利用されているリベット接合の取替えに、高周波誘導加熱法を用いた新工法『KMリベット工法』を開発しました。

熟練を要するコークスと火床を用いた従来加熱法に対し、瞬時にリベットを高温まで加熱、施工用機材一式もユニット化することで、スピーディーなリベット施工を可能にしました。この新工法では、施工用機材を積み込んだ4tユニック車で現地付近に進入し、取替えが必要なリベットの直近に加熱コイルを配置できます。このため、コークス火力でのリベット焼きや、焼いたリベットの施工箇所への投げ渡しが不要になり、従来工法に比べ作業の効率と安全性を大幅に高められます。

(写真1)高周波誘導加熱法を用いたリベット加熱コイルとユニット化した施工用機材
(写真1)高周波誘導加熱法を用いたリベット加熱コイルとユニット化した施工用機材

KMリベット工法のポイント

●高周波誘導加熱技術を用いたリベット加熱法とその施工用機材をユニット化したシステムです。

●「スピーディーな施工」:
高周波誘導加熱法により、瞬時に均等な加熱ができ、数秒で打設可能な温度になります。

●「優れた安全性」:
最大40mの延長ケーブルを使用することで、リベット打設する間近での加熱が可能で、コークスの火床や高温リベットの投げ渡しが必要なくなることから、火災の危険性が極めて少なくなります。

●「作業を標準化」:
予め高周波誘導加熱機にて加熱条件を設定し、スイッチひとつで操作できることから、リベットの加熱に関する熟練工の知識と経験が不要となります。

●「施工用機材のユニット化」:
発電機、コンプレッサー、高周波電源、冷却装置、加熱コイルを4tユニック車へ登載してユニット化し、現場搬入し易いシステムとしています。

特長1)高周波誘導加熱技術を用いたリベット施工
施工手順
(図1)施工手順
特長2)従来加熱法と新加熱法の違いと延長ケーブルを利用した近接リベット加熱
施工イメージ
(図2)施工イメージ

今後は、実橋梁での試験施工や効率よく施工できる機材等の開発も進め、失われかけているリベット施工技術を新たな形で継承していくとともに、歴史的鋼橋をはじめとしたリベット橋の補修・補強に貢献していきます。

特許登録

特許第6897940号:『リベット施工方法および施工システム』

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